そこで智旭の信仰においては、懺法・持咒・持名のいずれも、定業を消滅するために行なわれるのである。これについての彼の見解を求めれば、次の如くである。

もし懺悔の心力が強かったならば、どんなに深く厚い罪業も消滅させることができる。そこで智旭の生涯のうち、三十三歳から四十八歳までの間(一六三一ー一六四六)に、彼が懺法を行なった回数とその種類を調査すると、次のような図表となる。
年令懺法名稱資料根拠
33大悲懺 四明知礼集寿新伊大法師七十序\宗論八ノ二巻一一頁
34大悲懺龍居礼大悲懺願文\宗論一ノ二巻一頁
大悲懺結壇礼大悲懺文\宗論一ノ二巻三頁
大悲懺礼大悲懺願文\宗論一ノ二巻七頁
金光明最勝懺儀 知礼集再礼金光明懺文\宗論一ノ二巻五頁
大悲懺結壇礼懺并回向補持咒文\宗論一ノ二巻七頁
35往生浄土懺儀 慈雲遵式集礼浄土懺文\宗論一ノ二巻一〇頁