明末中國佛教の研究 304

智旭が生涯をささげた蔵経提要と閲蔵指導の著作である。しかし、智旭の思想全体からいえば、なお『阿弥陀経要解』一巻、『大乗止観釈要』四巻、および『教観綱宗』一巻を、彼の重要著作の中に入れるべきであろう。

1 「閲蔵畢偶成」の偈に、「馬鳴・竜樹難企、智覚(延寿)芳踪可尋。」と明示している。\宗論一〇ノ四巻一四頁

2 「較定宗鏡録四則」の一を参照。\宗論七ノ二巻一六頁

3 「復銭牧齋」参照。\宗論五ノ二巻二一頁

4 立正大学法華経文化研究所の『法華経研究』第四巻『法華経の中国的展開』四一八頁取意。

5 卍続四四巻三七五頁C

6 「法華綸貫後序」参照。\卍続五〇巻一七九頁C

7 「周易禅解跋」参照。\宗論七ノ一巻二〇頁

8 宗論一ノ四巻一〇ー一一頁

9 宗論七ノ二巻八頁

10 宗論六ノ四巻一四ー五頁

三 未完成の釈論書目に関する研究

未完成の釈論書目


智旭の文献および成時が著わした「八不道人続伝」にみられる智旭著書の中に、現実には作成されなかったものが二十二種ある。智旭の思想全体を理解するために、次の六つの文献をもとに、未作成の書目を表示すると次の如くである。

ついで、これら六つの文献中に、未作成の著述の性質を調べるために、その書目を図示すると次の如くなる。
書目
円覚経新疏
維摩経補疏
普賢行願品続疏
地蔵十輪経解
地蔵本願経疏
観経疏録要
無量寿如来会疏
金光明最勝王経続疏
仁王経続疏
摩訶止観輔行録要
賢護経解
同性経解
書目
無字法門経疏
薬師七仏経疏
十善業道経解
十二頭陀経疏
四阿含節要
発菩提心論解
僧史刪補
緇門宝訓
続燈録
大涅槃経合論
合計222572121